顧客の要望に応じて一から充填機の設計・開発を行っている老舗メーカー・株式会社ケーテー製作所では、過去の図面を探して照合する作業が煩雑で時間がかかるため、設計部門から図面をもらうたびに毎回、見積もりをとる状況でした。
図面データ活用クラウドを導入し、部署横断で業務効率が向上するような仕組みづくりを実施。社内ではさまざまな部門からデータ活用に関するアイデアや意見が活発に集まるようになりました。
中小製造業では、図面を元に見積もり、設計、製造などの作業を行います。ベテランの社員なら、過去の記憶やノウハウをもとに対応できる場合もありますが、多くの場合、過去の図面や見積もりを参照しながら対応しているのが現状です。
にもかかわらず、社内にある膨大な図面、日々増え続ける図面の中から、類似図面を探し出すことができない・時間がかかっている現場が多いようです。
類似図面検索システムなら、類似図面の検索がスピーディーに行えるため、見積もり・設計精度の向上が見込めます。「同じ部品なのに人によって提示価格が違う」「過去の価格と違う」など、勘や曖昧な記憶に頼った見積もりで生じるトラブルやクレームも防ぐこともできるでしょう。
自動化で見積もり時間が大幅に短縮 製造業を営む株式会社プラポートでは、毎日山のように来る見積り依頼に、少ない営業スタッフで対応。
見積り実績は共有サーバーで保管していましたが、検索機能に限界があり、「過去に同じような図面を見たことがあるけど探せない…一から見積り直しだ…」ということが少なくありませんでした。
自動で類似図面を抽出し、実績に基づいて見積価格まで算出してくれるSellBOTを導入して、見積り時間が大幅に短縮されました。
オリジナルの部品や部材など、特殊な部材を使った図面を作成する場合は、過去の図面から流用・参照したいところ。類似図面検索システムなら、過去図面を参照できるので、ゼロから設計をしなくて済みます。作業の効率化や時間・コストの削減が実現できるでしょう。また、知識や経験の少ないスタッフでも見積を作成することが可能になります。
そのほかにも、AI類似図面検索システムの導入はさまざまなメリットがあります。
設計レビューは、製品の品質を上げるために欠かせない作業です。しかし、何度も図面の改訂を行う内に、どれが最新のものか分からなくなってしまうことがあるようです。
改訂情報を管理できるシステムなら、更新前後の違いから変更箇所を把握し、設計レビューに活かすことが可能です。
モアシスジャパンが提供するAI類似画像検索ベースシステム「アトン-イフツー」や日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT Advanced 図面管理」などのように、変更箇所を見える化できるシステムを活用すれば、修正漏れや先祖返りも防ぐことができるでしょう。
取り扱えるファイル形式に制限がなく、全てのファイル形式を管理できる「D-QUICK7」(アイサイト)や、図面や画像の仕分けも得意な「類似画像検索」(ワイ・エス・エス)などのようなシステムなら、同時に図面管理も行えます。
膨大な図面をデジタル化することで、紙の図面を保管するスペースや棚、管理・整理するための人件費も削減することができるでしょう。
電子データ化した図面にタグやキーワードを付与すれば、検索性の向上や業務効率アップも期待することができます。
最近では、AI技術を用いて、さらに簡単で高精度に類似図面を探すことができるAI類似図面検索システムが続々と登場しています。AI類似図面検索システムなら、図面を一元的に管理し、活用する企業のDX化に貢献してくれるでしょう。
本サイトでは、AI類似図面検索システムを「営業時」「設計・製造時」「発注・調達時」の3つの利用シーン別に、おすすめのAI類似図面検索システムをピックアップ。それぞれのシーンに特化したAI類似図面検索システムの特徴を知り、どれが自社に合うシステムなのか検討してみてください。
AI類似図面検索システムを導入するのであれば、
どのようなシーンで主に利用したいかを考えるのがポイントです。
ここでは、利用シーン別におすすめのAI類似図面検索システムを3つピックアップしています。
シーンごとに異なる仕様になっているので、自社に合ったシステムはどれなのか、チェックしてみましょう。
見積もりに特化したシステムで、営業現場で適正かつ迅速な値決めのアシストが可能。受注確度の高い案件に注力できる営業体制をサポートします。
図面データに案件情報を紐づけたり、得意先のみに絞った類似図面検索も可能。リピート案件の際にもゼロからの見積作成が減少し、見積にかかる業務負担を大きく軽減させます。
自社開発AIでかつフルスクラッチ開発なので、企業に合わせた細かい調整が可能。類似度の高い設計図の抽出が容易になり、設計者ごとの設計結果の差を軽減します。
基幹システムやMES、BOMなどの連携に自由度があるため、設計部門と製造部門で利用することで部門間連携がスムーズになり、納期短縮、コスト削減につながります。
発注実績自動紐付け機能により、過去の価格と納期のデータから複数の供給元の価格や納期の比較が容易になります。
供給元の過去の品質問題を参照することで、品質管理の一環として信頼性の高い供給元を選定して発注することも可能。取引先見直しにも役立ちます。